落ち着いた深みのある色合いでまとめられた時輪曼荼羅(カーラチャクラマンダラ)です。 隅々まで妥協を許さないその細やかな絵は見る人の心を奪い、絵描き師の技術の高さと長期に渡る製作期間の努力の結果が集結しています。 金色に輝く部分は、金を溶かした塗料で描かれており、洗練された中にも豪華さを与えてくれています。 上下左右どの角度から見ても正確に描かれた図は、とてもひとつひとつ手書きで描かれたとは思えない、素晴らしい技法が覗えます。 この曼荼羅を引き立てるようにオリジナルの額装を施した世界にひとつの曼荼羅作品です。
チベット仏教が教える宇宙そのものを一つの建造物として表す、時輪曼荼羅(カーラチャクラマンダラ)の一つです。 梵天と並び、仏教の二大護法善神となった帝釈天。 この曼荼羅はその帝釈天が住まう須弥山をイメージした図柄となっています。 須弥山とはインド古来の世界観で、物質を構成する四大元素【地(ち)・水(すい)・火(か)・風(ふう)】でできた円盤上にそびえ立つ巨大な山です。 山の頂上には帝釈天が居する宮殿があり、その上方には何層もの天界が広がっています。 須弥山の四方には海があり、その中に私たちの住む大陸や島があると考えられていました。 この世界を真上から見たイメージが、この曼荼羅です。 チベット仏教の曼荼羅を構成する尊格は、須弥山に上下あるいは中心と周辺の違いがあるように、その働きによっていくつかの種類に分けることができます。 それが如来・菩薩・守護尊・女尊・護法尊です。 また、大輪の外側は、煌びやかな法具で飾られ、聖性と装飾性を兼ね備えた技法が伺えます。 それぞれの尊格は、人間の体や心を構成する要素(例えば肉体の構成元素、思考、感覚など)を象徴しており、これらが有機的に関係しあって現実の世界ができていることを表しています。 須弥山を囲む円には諸尊を示す黒、白、赤、黄、緑、青の6色の梵字が並んでいます。 黒は己や他人の煩悩を打ち消す密教調伏法の根本的な色で、涅槃の色ともいわれ、白は光、大日如来の根本的な色彩で、如来部を総称する色でもあります。 そして残りの4色は、 赤?火性?情念 黄?地性?肉体(本能) 緑?風性?理性 青?水性?知性 を示し、四如来に非常に近い性格、働きをもっていことがわかります。 またこの6色は、目から脳に信号を送る際の明暗(白・黒)、赤緑、黄青の3つのレベルセンサーに登場する色でもあるのです。
須弥山の四方は四天王が護り、見る人の心を安寧の地へ誘います。 世界平和への祈りを込めて、東方を守護する持国天、南方を護る増長天、西方、北方にはそれぞれ広目天と多聞天が配置されています。
内部には仏陀の前身の姿とされる象、摩耶夫人が六本の牙を持つ白い象が胎内に入る夢を見て釈迦を懐妊したとされる受胎告知に登場する白象、 密教と重要な相関関係にある孔雀などが描かれています。 インドでは古来より孔雀は毒蛇を食するといわれており、その力を神格化し密教の孔雀明王が存在します。 毒蛇を我々の三毒、貪(むさぼり)・瞋(いかり)・癡(ぐち)に見たて、孔雀がもつ威力によって煩悩を消滅させるという、孔雀の尾羽根を持った菩薩形の慈悲相 です。
大地を照らす太陽のように、時輪曼荼羅(カーラチャクラマンダラ)はあらゆる災いをはらい、大いなる幸福と成功をもたらします。 その神秘の世界を是非ご自信の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
【画 寸】 約310×310mm 【額 寸】 約530×530mm 【額 縁】 木製、ガラス
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